ジーン・ジオン文 マーガレット・ブロイ・グレアム絵 まさきるりこ訳 あすなろ書房 2005年
『どろんこハリー』のふたりが贈る詩のような絵本です。
落ちてくる物、降ってくる物といったら何を思い浮かべますか?
はなびらが、テーブルの上に音もなく落ちてきます。
あけ放たれたドアからあたたかないい匂いの風が吹いてくるのが感じられます。
公園の噴水の水が落ちてきます。水の音、鳥のさえずり、子どもたちの歓声が聞こえるようです。
りんごが木から落ちてきます。日差しの中でりんごを集める子どもたちの息遣いが聞こえるようです。
季節は移り、夏の海辺、木の葉の散る公園、雪遊び。雨の日。夕闇、夜。
落ちてくる物、降ってくるものに注目すると、日常の中に自然を見つけることができます。
最後は、朝、お父さんがジミーを抱きあげて、空中にぽーんと放り上げます。
ジミーは落ちる?
いいえ、お父さんがしっかり受け止めます。
ドラマチックなストーリーはありませんが、楽しく、心がしずまっていく絵本です。